75歳以上の医療費の自己負担の2割への引き上げ 検討が本格化 年収の線引きが焦点 

令和2年11月12日に開催された「第133回 社会保障審議会医療保険部会」において、医療保険制度改革について議論が行われました。

特に話題になっているのは、後期高齢者の窓口負担割合の在り方等についての議論です。

令和2年の末頃にまとめられた全世代型社会保障検討会議の中間報告において、「後期高齢者(75歳以上。現役並み所得者は除く)であっても一定所得以上の方については、その医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方については1割とする。」という方針が示され、具体的な施行時期、2割負担の具体的な所得基準などについて検討を行うこととされていました。

その検討が本格的にスタートしました。

2割負担の具体的な所得基準、すなわち年収の線引きに注目が集まっていますが、次の点を踏まえて、引き続き検討すべきではないかとされています。

●現役並み所得者への医療給付費については公費負担がないため、判断基準や基準額の見直しに伴い現役世代の負担が増加することに留意する必要がある。

※現役並み所得者への医療給付費に公費負担を導入する場合、数千億円の財源が必要となる。

●「現役並み所得の基準」の算定の基礎となる現役世代の収入は、現在把握可能なデータは平成30年度のものである。新型コロナウイルス感染症の影響で、現役世代の収入に影響があると考えられるが、令和2年度の現役世代の収入は、現在、把握できない。

同部会では、引き続きこのテーマについて検討を進め、年内に結論を出すこととしています。動向に注目です。

その他の議題も含め、詳しくは、こちらをご覧ください。

<第133回 社会保障審議会医療保険部会/資料>