非正規の待遇格差訴訟 最高裁からの差し戻し控訴審 皆勤手当

「物流会社の契約社員だった男性が、正社員と同じ業務内容なのに待遇に格差があるのは労働契約法に違反するとして、正社員に支給される手当相当額の支払いを同社に求めた訴訟の差し戻し控訴審判決が、平成30年12月21日、大阪高裁であり、裁判長は請求のとおり、皆勤手当相当額の32万円(32カ月分)の支払いを命じた。」といった報道がありました。

これは、平成30年6月に最高裁で判決が下された「ハマキョウレックス事件」の続報です。
この事件の経緯を確認にしておくと、原告側は、無事故、作業、給食、住宅、皆勤、通勤の6手当の是正を求め、平成28年7月の二審の大阪高裁の判決では、住宅手当と皆勤手当を除く4種の手当の格差が違法と認定されました。
そして、平成30年6月の最高裁の判決では、二審判決を支持しつつ、皆勤手当についても、正社員と契約社員の間に差はなく、支給しないのは不合理と判断した上で、高裁に審理を差し戻していました。

今回の大阪高裁では、最高裁の判決に沿い、皆勤手当の格差も違法と認定。
会社側に、32か月分の皆勤手当相当額(32万円)の支払いを命じたとのことです。

やはり、平成30年6月の最高裁の判決の影響は大きく、そこで示された考え方が定着してきたようです。

〔参考〕ハマキョウレックス事件の平成30年6月の最高裁の判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87784