「提訴理由に雇止め」は違法 会社側に約4,000万円の支払い命令

「残業代の支払いを求めて提訴したことを理由に雇止めなどをされたのは不当であるなどとして、大手タクシー会社の元運転手12人らが地位確認や未払賃金の支払いなどを求めた訴訟について、平成30年6月14日に東京地裁で判決があり、訴えの一部を認め、会社側に計約4,000万円の支払いを命じた。」といった報道がありました。

判決によると、元運転手らは、定年後に再雇用されるなどしていましたが、平成28年1月に未払い残業代を求めて提訴しました。
これを受けて、会社側は、労働組合との団体交渉で「会社を提訴する人とは信頼関係が保てない」などと発言し、定年後の有期雇用契約を打ち切ることなどを通知。平成29年3月までに12人との雇用契約を終了させました。

裁判長は、提訴を理由とした雇止めなどを、「裁判を受ける権利(憲法32条)の侵害だ」として、会社側の行為を違法だと判断し、慰謝料などの支払いを命じました。
さらに、12人のうち、7人については、雇用の継続や雇止めによって同社で働けなかった期間分の賃金の支払いを命じました。
しかし、残る5人については、それぞれ「それまでに有期雇用契約の実績がなかった(定年後の再雇用を拒否された3人)」、「高齢である(当時75歳以上だった2人)」といった理由から、雇用の継続や働けなかった期間分の賃金の支払いを認めませんでした。
原告側は、敗訴部分について、控訴するとのことです。

なお、雇止めの有効性については、平成24年8月から施行されている労働契約法19条に規定されています。
同条の解釈がこの訴訟のポイントとなっています。

〔参考〕労働契約法19条の概要を紹介しておきます。
<労働契約法第19条(「雇止め法理」の法定化)/「労働契約法改正のあらまし」より)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet06.pdf