コンビニ配送運転手、過労死で労災認定 単月で114時間の残業

「運送会社に勤務する当時40代のトラック運転手の男性社員が突然死したのは、長時間労働による過労が原因だとして、所轄の労働基準監督署が労災認定したことが、8月31日に分かった」という報道がありました(労災認定は先月24日付け)。

遺族側の代理人弁護士が記者会見して明らかにしました。
代理人弁護士によると、男性は運送会社に勤務し、コンビニ店への飲料や菓子、雑貨などの商品の配送を担当。今年1月に、配送先の店の駐車場で倒れ、急性大動脈解離で亡くなったということです。
労働基準監督署は、発症前の1か月間の時間外労働が約114時間で、「過労死ライン」とされる月100時間を超えていたととして労災認定。発症前の6か月は100時間程度の時間外労働が常態化していたようです。

運送会社側は、「真摯(しんし)に受け止め、社員の労働時間の短縮に取り組む」とコメントしているとのことです。また、男性への未払い残業代が約200万円あるということで、遺族に支払う考えを示しているということです。
国の過労死ラインを超えるような長時間の残業は、絶対に避ける必要がありますね。
参考までに、この認定基準のパンフレットを紹介しておきます。

<脳・心臓疾患の労災認定 -「過労死」と労災保険->(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-11.html

なお、この事案に関連して、代理人弁護士は、政府が導入を目指す“罰則付きの時間外労働の上限規制”において、運送業については適用を5年間猶予する方向で法整備が進められていることについて、「政府の姿勢は過労死を放置し、助長するもので納得できない。この異常な状況を1日も早く改善するべきだ」と訴えたそうです。
立場によってさまざまな主張があり、上限規制の法整備の難しさを感じますね。