経産省 「雇用関係によらない働き方に関する研究会」の資料を公表

昨年春に取りまとめられた産業構造審議会「新産業構造ビジョン」において、「第4次産業革命によって、就業構造や『企業と個人の関係』が劇的に変化していく」との分析がなされました。これを受けて、経済産業省は、テーマを3つに分け、相互に連携しつつ、事例・実態を収集し、課題及び今後の方向性について検討を行う3つの研究会を立ち上げ、以後、幾度か開催しています。

・「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」
・「雇用関係によらない働き方に関する研究会」
・「中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会」

今月6日には、第3回「雇用関係によらない働き方に関する研究会」が開催され、その資料などが公表されました。
公表された資料には、兼業・副業に関する調査を含めたアンケート調査の結果も含まれていました(昨年暮れにインターネットで実施。調査対象は、本業以外に副業などを持つ1000人を含めた4000人)。

調査結果のポイントは、次のようなものです。
●雇用関係によらない働き方関係
・平均労働時間は、週32.4時間。
・現状の働き方に対して不満を抱いていない働き手の割合は、全体の約80%。
満足の理由として、「自分のやりたい仕事ができるため」との回答が半数以上を占める。
不満な理由として、「収入面(昇給なし・不安定)」との回答が多くあった。
・この働き方を選んだ理由として、約60%が「自分のやりたい仕事・好きな仕事に集中するため」と回答。
●兼業・副業関係
・兼業や副業をする人の73%が、本業以外の職場での平均労働時間を週20時間未満と回答。
・本業と副業などを合わせた総労働時間の平均は週38.1時間。
・現状の働き方に対して不満を抱いていない働き手の割合は、全体の約80%。
満足の理由と不満足の理由のトップは、いずれも「収入面」。二極化していると分析。
・この働き方を選らんだ理由として、約45%は「十分な収入・副収入が欲しいため」と回答。
次いで多い回答は「自分のやりたい仕事・好きな仕事に集中するため」。

今後は、社会保障の在り方も含めて、より具体的な検討が進められることになりそうです。「働き手の時間やスキルの最大限の活用を可能とし、また、企業においても多様な人材の確保に繋がる」、そんな改革を目指しているとのことです。根底にあるのは、労働力の不足といえそうですね。実際に、実務の現場では、フリーランスや兼業・副業をしている従業員に関する相談も増えているようで、各企業におけるルール作りが求められる時代が近づいているのかもしれません。

参考までに、「第3回「雇用関係によらない働き方」に関する研究会」の資料などを紹介させていただきます。
・第3回「雇用関係によらない働き方」に関する研究会を開催しました(2月6日)
http://www.meti.go.jp/press/2016/02/20170206008/20170206008.html
※アンケートの結果は、【資料8】参照